[ 新元号 ] 令和(れいわ)と万葉集・巻五 梅花の歌三十二首并せて序

[ 新元号 ]
令和(れいわ)と万葉集・巻五 梅花の歌三十二首并せて序

 

 

ワンポイント情報☆彡

 

 

 

新元号を「令和(れいわ)」と決まる…

 

平成31年4月1日(月)、
政府は、「平成」に代わる新元号を「令和(れいわ)」と決定した。
憲政史上初めてとなる皇位継承前の新元号公表です。

そして、
今の天皇陛下が、改元政令に署名され、同日中に公布となり、
4月30日の天皇陛下退位に伴い、
皇太子さまが新天皇即位の5月1日午前0時に施行されます。

新元号を「令和(れいわ)」は、
「大化」(645年)から数えて248番目の元号で、
1979年制定の元号法に基づく改元は「平成」に続いて2例目となります。

 

新元号「令和(れいわ)」の出典は、「万葉集」


新元号「令和(れいわ)」の出典は、「万葉集」です。
日本の古典である「万葉集」からの採用は確認できる限り、これが初めてとなります。

これまでは、元号の起源が中国ということからなのか、出典が確認できる日本の元号は、ほとんど中国の古典、儒教に関わる書物からの出典となっているそうです。
今回は、元号が日本の歌集からの採用という新しいカタチとなった。万葉集は、日本の情感の大切さを伝えてくれている書物としてあるのでその意義は大きいのではないでしょか。

「令和」は、『万葉集』巻五にある「梅花の歌三十二首并せて序」、この「序」の文から採用されたということです。

「梅花の歌三十二首并せて序」には、
天平二年正月十三日、大伴旅人(おおとものたびと)が 朝集使、太宰府官人や旅人・知人30余人を招いての「梅花の宴」を開いたとされ、その時の歌、連作32首として載せられています。

この「梅花の宴」(梅の花を観る宴会)は、奈良時代に大宰府の長官、大伴旅人邸で開かれたとされ、現在、宴会が開かれた場所は太宰府政庁跡(福岡県太宰府市)として、万葉集には「遠の朝廷(みかど)」と詠まれたその規模をしのばせる立派な礎石が残 り、門や回廊、周辺の役所跡等が整備され、公園となっています。

大宰府展示館・模型「梅花の宴」(山村 延燁作)・博多人形で再現

[ 大宰府展示館・模型「梅花の宴」(山村 延燁作)・博多人形で再現 ]

画像クリックで「ぷらり歴史路・大宰府展示館」へ

 

「令和」(れいわ)の典拠

  • 出典:
    『万葉集』巻五
    「梅花(ばいくわ)の歌三十二首并(うたさんじゆうにしゆあわ)せて序(じよ)」
  • 引用文:
    于時 初春令月 気淑風和 梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香
  • 書き下し文:
    時に、初春(しよしゆん)の令月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風和(かぜやはら)ぎ、梅は鏡前(けいぜん)の粉(ふん)を披(ひら)く、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(くゆ)らす。
  • 訳文:
    折しも、初春の佳き月で、気は清く澄みわたり 風はやわらかにそよそよと、梅は佳き人の鏡の前の白粉(おしろい)のように咲いているし、蘭は貴人の飾り袋の香のように匂っている。

 [ 参考文献:新潮社版「万葉集 巻第五」『万葉集二』新潮日本古典集成(第二一回), 新潮社, 昭和53年11月, pp. 61-72 ]

 

  • 現代語訳文:
    新春の好き月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている

[ 参考文献:中西進著「万葉集」]

 

京都大学貴重資料デジタルアーカイブ [曼朱院本] 『萬葉集巻五』「梅花の歌三十二首并せて序」

[出典: 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ 
[曼朱院本] 『萬葉集巻五』「梅花の歌三十二首并せて序」]

 新元号「令和(れいわ)」の出典『万葉集』の「梅花の歌三十二首」を、京都大学附属図書館所蔵『[曼朱院本]萬葉集』のデジタル画像を京都大学貴重資料デジタルアーカイブのサイトからデジタル画像で閲覧してみよう。
・京都大学貴重資料デジタルアーカイブ ⇒クリック

 

 

新元号最終候補6案の考案者と出典

 

政府が新元号を決める際に有識者懇談会などへ示した新元号の最終候補6案の考案者と出典の内容を、令和元年8月5日、政府関係者が明らかにした。考案者名を明らかにされるものではないという意見もある。

  候補名 出典 考案者名(敬称略)
国書 英弘(えいこう) 古事記 宇野茂彦
国書 広至(こうし) 日本書紀
続日本紀
宇野茂彦
国書 令和(れいわ) 万葉集 中西進
漢籍 久化(きゅうか) 易経 宇野茂彦
漢籍 万和(ばんな) 史記 石川忠久
漢籍 万保(ばんほ) 詩経 宇野茂彦

 

 

参考情報☆彡

 

 「梅花の宴」の開かれた場所は、奈良時代に大宰府の長官、大伴旅人邸とされ、現在は太宰府政庁跡(福岡県太宰府市)として、礎石、門や回廊、周辺の役所跡等が整備され、公園となっています。


  • 大宰府政庁跡 〒818-0101  福岡県太宰府市観世音寺4丁目6-1 
  • 大宰府展示館 〒818-0101  福岡県太宰府市観世音寺4丁目6-1
  • 坂本八幡宮 〒818-0133  福岡県太宰府市坂本3-14-23
  • 太宰府観光協会 TEL 092-925-1899  福岡県太宰府市宰府3丁目2-3 太宰府館内 ⇒クリック

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

2019年04月01日