特別展「第71回 正倉院展」見どころを押さえどころ

 

  • 奈良国立博物館 最新情報 詳細⇒クリック
  • 特別展 御即位記念「第71回 正倉院展」・奈良国立博物館
    会期:2019/10/26(土)~11/14(木)・開催まとめ 詳細⇒クリック
  • 正倉院学術シンポジウム2019「即位と正倉院宝物」2019/11/3(日・祝) 12:30開場 13:00~17:30 於:東大寺総合文化センター 金鐘ホール・参加費無料・申込先着順250名・申込期間10/7~10/28(月)必着・往復はがき又はウェブより 詳細⇒クリック
  • 「正倉院フォーラム2019」各会場別まとめ☆彡
    大阪(9/23)、東京(9/29)、福岡(9/28)、名古屋(10/5) 詳細⇒クリック
  • 東京国立博物館 最新情報 詳細⇒クリック
  • 御即位記念特別展「正倉院の世界-皇室がまもり伝えた美-」・東京国立博物館
    会期:2019/10/14(月)~11/24(日)・開催まとめ 詳細⇒クリック
  • 特別展「第71回 正倉院展」見どころを押さえどころ 詳細⇒クリック

 

 

 

 


特別展「第71回 正倉院展」見どころを押さえどこ

 

令和元年の正倉院展は、天皇陛下御即位を記念しての奈良国立博物館と東京国立博物館での開催です。

奈良国立博物館では、「御即位記念 第71回正倉院展」(10月26日~11月14日)、
東京国立博物館では、御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」(10月14日~11月24日)となっています。

この開催に先立ち、見どころなどを紹介する「正倉院フォーラム」が、9~10月、東京、大阪、福岡、名古屋の4会場、読売新聞社・読売テレビの主催で開催されます。事前申込(・参加費無料)なのではやめの申込をおすすめします。 ▽正倉院フォーラム・まとめ情報⇒クリック

 

ここでは、奈良国立博物館で開催される「御即位記念 第71回正倉院展」(10月26日~11月14日)の正倉院展の見どころ、押さえどこをまとめてみました。

 

 今回の正倉院展は、「天皇陛下御即位を記念して正倉院宝物の成り立ちと伝来に関わる宝物や、宝庫を代表する宝物が顔を揃えることが特筆されます。」と紹介されています。
正倉院は、校倉造りということしか知らなかったけど、私たちの知らない時代を過ごしてきた美術工芸品が時空を越えて見ることのできる。宝箱ですよね。

 

 正倉院の宝物は、東大寺大仏を造立した聖武天皇のご遺愛の品々を光明皇后が大仏に献納したことに始まります。のちに東大寺の儀式に使った法具も加わり、現在は、9,000点を数える宝物がある。なにがすごいかって言うと、この正倉院宝物は日本、中国(唐)や西域、ペルシャなどからの輸入品、それも古代の美術工芸の粋を集めた品々をはじめ、奈良時代の日本を知る史料としての正倉院文書や東大寺大仏開眼法要の品や古代の薬品なども所蔵されていて、貴重な文化財の宝庫、またシルクロードの東の終点ともいわれています。

 

 9,000点の宝物の中で渡来品は 400点だけ。
 素材は(ラピスラズリなどの素材は別)別。工芸品となっているもの。西アジア、ペルシャで作られたものは、ガラスの器だけなんだって。

 

 ほんとに?ほとんどが渡来品かと思っていたよ。

 

出陳される宝物総数と初出陳


 令和元年の正倉院展に出陳される宝物総数は、41件(北倉14件、中倉8件、南倉17件、聖語蔵2件)、そのうち初出陳は、4件となっています。
初出陳の内訳は、北倉より宝物の収納容器、古櫃(こき)が1合、南倉より鐘形の風鈴、金銅鎮鐸(こんどうのちんたく)が2口、聖語蔵より光明皇后御願経、四分律(しぶんりつ )巻第二十三 1巻となっている。

 

 えっ、聖語蔵って?

 

 聖語蔵(しょうごぞう)って、正倉院の構内にある小いさな校倉造の倉庫のことだよ。その中には、正倉院文書とは別のもので仏教関係の経巻などが納められている。転害門のところにあった東大寺の尊勝院(そんしょういん)の経蔵が皇室に献納されて現在の場所にあるんだって。今回のこの聖語蔵からの初出陳は、「聖語蔵経巻『四分律』巻第二十三(光明皇后御願経) 1巻」[聖語蔵3-81 ]なんだって。

 

「四分律」って、お坊さんが守るべき戒律が書いてあるのだよね。鑑真和上さまの来朝が、授戒の師を日本にお招きしたいとお願いに応えたもので、鑑真将来品の中にも四分律が含まれていたことからも、四分律の重要性があるから、聖武天皇の仏教への帰依、そして光明皇后の仏さまへの荘厳する強い念いが伝わってきます。

 

 そういう意味からも、北倉からの『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』の筆頭に掲げられている「御袈裟合玖領」のうち「七條刺納樹皮色袈裟(しちじょうしのうじゅひしょくのけさ)」[北倉1]の出陳も貴重ですね。また、「国家珍宝帳」記載の宝物で、天武天皇から持統、文武、元正、聖武天皇へと順次相承され、かつ聖武天皇の最も身近にあった品の一つとされる観音開きの扉を持つ収納具「赤漆文欟木御厨子(せきしつぶんかんぼくのおんずし)」[北倉2]と、ここに納められていた遺愛品として、「紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)」[北倉13]・「緑牙撥鏤尺(りょくげばちるのしゃく)」[北倉14]が出陳されるからこちらも楽しみですね。

 

こちらも北倉から、聖武天皇らが着用したとされ、後に天皇即位時の礼服(らいふく)・礼冠(らいかん)を調進する際に、参考に供された冠の一部を伝える「礼服御冠残欠(らいふくおんかんむりざんけつ)」[北倉157]が、御即位を記念する今回に出陳される。

 

 中国・唐代の高度な工芸技術を伝える宝物、「紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)」[北倉13]、「金銀平文琴(きんぎんひょうもんきん)」[南倉18]、金銀花盤(きんぎんのかばん)[北倉26]。東大寺の法要などで用いたとされる供物を載せる台「粉地彩絵八角几(ふんじさいえのはっかくき)」[中倉177]は赤、青、緑などの花模様が鮮やか華麗なものと知られる。こうした天平文化を伝える品々の出陳。

 シルクロードからの異国の文化の美が漂う、ペルシアで流行した樹下人物図の系譜に連なる「鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)」[北倉44]、アフガニスタン主産地のラピスラズリを用いた「紺玉帯残欠(こんぎょくのおびざんけつ)」[中倉88]の出陳。  

 荘厳(しょうごん)を極める仏具として「紫檀金鈿柄香炉(したんきんでんのえごうろ)」[南倉52]、紺玉帯残欠を納める「螺鈿箱(らでんのはこ)」[中倉88]、752年の東大寺大仏開眼会で聖武天皇の足下を飾ったとされるつま先が反り上がった儀式用の靴「衲御礼履(のうのごらいり)」[南倉66]など、宝庫を代表する宝物が並びます。

 

 ・ 開催され次第、新しい情報を追記していきます。乞、ご期待ですね。

 

 

 

 

 

参考☆彡

  • 正倉院 ・宮内庁 ⇒ クリック
    奈良・平安時代の重要物品を納める東大寺の正倉院。
    正倉院宝物とその鑑賞を中心に紹介。『正倉院紀要』も掲載されている。
  • 正倉院宝物検索・正倉院 ⇒ クリック
  • e国宝 - 国立博物館所蔵 国宝・重要文化財 ⇒ クリック
  • 第71回正倉院展 出陳宝物一覧 ⇒ クリック
  • 第70回正倉院展 出陳宝物一覧 ⇒ クリック
  • 第69回正倉院展 出陳宝物一覧 ⇒ クリック
  • 第68回正倉院展 出陳宝物一覧 ⇒ クリック
  • 第67回正倉院展 出陳宝物一覧 ⇒ クリック
  • 第66回正倉院展 出陳宝物一覧 ⇒ クリック
  • 第65回正倉院展 出陳宝物一覧 ⇒ クリック
  • 参考文献



 

2019年08月21日